朗読者 ~「愛を読むひと」~

朗読者

こんにちは。時間がないのでいそいで更新します~(汗)

本のタイトルは『朗読者』。これは今「愛を読むひと」という映画のタイトルで上演中と聞いています。気になっていたので読んでみました。

作者はB.シュリンクというドイツの作家さんかと思えば、本職はフンボルト大学の法学部教授なんですって。どうりで後半の裁判シーンがやけにリアルな感じがしたのね。

お話の前半は15歳の男の子と随分年上の(お話では男の子の母親ぐらいの歳の)女性と恋に落ちるという、かなりインパクトのある内容でした。

女性(ハンナ)は男の子を「坊や」と呼んだりしていますが、でもきちんと恋愛関係が成り立ってるんですよね。その女性ハンナ、読んでいるうちによくわからない謎めいた言動を繰り返します。

男の子は15歳らしい、本当に素直で純粋な子です。

不意に別れが訪れます。何も言わずにハンナが男の子の前から姿を消すのです。

月日は流れ、男の子が大学生になり、法学部へと進みます。ある裁判の傍聴をしていると、なんとハンナが被告人の席に!!そして男の子は(もう男の子ではないですね・・・大人の男性です)ハンナが過去に犯した罪を知ります。それだけではなく、ハンナのひた隠しに隠した秘密も知ってしまうのです。

だからハンナはあんなことも、こんなことも・・・と読者は知るわけです。前半の謎めいた彼女の言動が腑に落ちるのです。

ハンナは罪を償うために刑務所へ・・・。男性はやがてハンナと再び交流を持ちます。ハンナの意外にもけなげな一面も見えたりして、目頭が熱くなりました。

そしてエンディングは・・・。読んでください。

私はエンディング、予想はついていたけど・・・。ハンナという女性ならありえる結末でした。私はハンナの裁判中の話が泣けました。男性がハンナを理解するためにその場所(現場?)へ行ったりするんですね。それがなんとも言えず切なくてね・・・。電車で涙をこらえるのに必死でした。

なかなか読み応えのある1冊でした。

ではこれから私、尼崎の商工会議所へ行ってきます。セミナーなんです~(急に現実に戻る・・・)。