本当の多読法、知っていますか?

英語多読法

本のタイトルは『英語多読法』です。SEGという学習塾を主宰している多読の指導者、古川昭夫さんの著書です。生徒の多読効果のデータを載せていたり、多読批判に対する反論をはじめ、本当に効果の上がる多読の方法について、どのような効果があるのかについて、きちんとしたデータや理論を元に書かれています。

もともと数学の先生というだけあって、理系的なアプローチです。私も理系なので、読んでいて頭に入りやすい説明の仕方、説得力がありました。

多読はただ洋書を読めばいいというわけではない。何をどう読むか。これによって、英語習得の速さが違ってくるのです。辞書をひかなくても語彙が増える。それはなぜなのかを非常にわかりやすく説明していました。多読をしていると、なぜリスニング力がつくのか。これもきちんと説明されています。

この本の中で、中1からSEGで多読を始めた生徒が、3年足らずでTOEIC850とったと書いています。しかも一人や二人ではないと。この事実はインパクトありますが、多読を広めたい私としては、あまり強調したくないことです。この生徒たちはSEGという塾に通っています。あまりSEGのことは知らないのですが、東大への進学を目指すような子が多く行くところという認識です。

私みたいに英語は落ちこぼれで、他の科目だってぱっとしない人にとっては、「頭いい子たちだから、自分とは違う」と思ってしまわないかと思います。もちろん、そういう見方がいいとは思いません。わかってはいても、そう考えてしまう人は結構いるのではないでしょうか。

以前の自分がそうだっただけに、同じことを考える人がいたっておかしくないと思うからです。そういう目を引くような事実はともかく、著者の多読法の紹介はとてもわかりやすく、誰でもできそうな、敷居の低い方法であると思います。

私はちょくちょく英語学習法の本を読むのですが、多読用としてすすめている洋書は、難しいものばかり。これでは英語が苦手な人には無理なんです。チャレンジしたとしても、疲れて止めるでしょう。多読は英語がキライ、苦手という人にとっても、「これならできそう」と思えるものであり、やがて英語が好きに、得意にさせてくれる方法だと思います。

一読の価値ありです。