グロービッシュは最短距離か

様々な英語勉強法について書かれた本を読んで、ポイントをまとめています。今回はグロービッシュに関する本です。

非ネイティブのための グロービッシュ式らくらく英語勉強法

『非ネイティブのための グロービッシュ式らくらく英語勉強法 たった1500語で世界で話せる人になる!』を読みました。

グロービッシュとは?

「グロービッシュ」ってご存知ですか?英語のことなんですけど、その中でもネイティブの話す英語ではなくて、「多くの人が話している英語」と言えばいいのかしら。今英語が世界中で話されていますが、そのうち英語を母語とする人は少数で、大多数は第2言語として英語を話しているのですね。世界中で多数派を占める(第2言語としての)英語のことです。言い換えると、世界で主流になっている英語。

私も多国籍企業にいましたが、社内の公用語は英語で、いろんな訛りの英語が飛び交います。自然とそれに慣れてきます。私はちゃんと英語を勉強せずにその環境に入りましたから、アメリカとかイギリスの英語をちゃんと学びたい、という人がいることを知らなかったし、知ったときはその理由がすぐには理解できませんでした。だって、世界に飛び出して活躍したいのだったら、いろんな国の人の英語に触れるのが普通ですから。

それにアメリカ又はイギリスで暮らしたいと思ったとしても、そこにもいろんな国の人が住んでいます。きれいなイギリス、又はアメリカの発音しか聞き取れない、とかいう話しを聞いたときは、そんな人がいることすら信じられませんでした。

本当に1500語で英語が話せるの?

それはまぁいいとして、この本の紹介をします。1500語で話せる!のか?単に1500語を暗記しても無理ですよ。1500語を使えなくてはなりません。しかもそこから派生する単語も、せめて聞いたり読んだりしたときに理解できるレベルが必要かと思います。

それに加えて自分の置かれている英語環境で使われている専門用語があれば、それも必要でしょう。そうだとしても、単語の数はあまり多くありませんね。私も過去にグローバル企業で英語を使って仕事していましたが、実感としてもそんなもんです。

らくらくの英語勉強法なんてあるの?

英語が話せるようになるためには、「たくさんの単語を覚えなくては」と思う人もいるかもしれませんが、意外にそうでもないです。特にビジネスでは。では、1500語が使えるようになるのって「らくらく」と言えるでしょうか?

私の答えは、「イエス」でもあり「ノー」でもあります。なぜ「ノー」か。それは、やり方がまずくて継続できずにすぐ止めてしまう人が多いからです。やり方さえよければ、「らくらく」できるというわけです。だから「イエス」でもある。

ただし時間はそれなりに掛かります。やることもそれなりにあります。それを他人は「すごい努力」とか「すごい頑張ってる」と感じるかもしれません。でもやり方がいい場合、やってる本人は別に努力をしてるとも感じないし、頑張ってるつもりもない。「楽しいからやってる」わけです。そういう意味の「らくらく」だと、私は理解しています。

「知っている」と「使える」は全く別物

グロービッシュ式のいいところは、ただ闇雲に英語の知識を増やす勉強をするのではなく、使うために必要な英語知識を身に付けて、それを使えるレベルへ引き上げる訓練をすることです。とてもいいアプローチと思いますよ。しかしこれをするにはまず、なぜ英語を使えるようになりたいか、はっきりした目的意識が必要ではないでしょうか。目的意識がはっきりしなければ、どこに向かっていけばいいか、そのために何をすればいいかがわからないからです。

それからメンタル面。この本にはこれもちゃんと書いていて、私は読んでいて嬉しかったです。私もメンタルがとても大事だと思うからです。まず英語を好きになること。何でもイヤイヤやっていたって、続かないし上達もしません。好きになる方法を考えるのです。習慣化することの大切さも書かれていました。この二つは、私が多読の話しをするときに、いつも伝えていることです。

英語を勉強しているけど、全然使い物にならないというのは、どういうことなのでしょう。それは「知っている」止まりだから。

「知っている」と「使える」は違います。「使える」になるには、まず「知っている」ことが前提です。使えるようになるためには、アウトプットの訓練が必要です。アウトプットの方法をいろいろ紹介していました。ここではもう書きませんので、やってみたい方はこの本を読んでくださいね。

費用のかからない教材

それから継続するためには、費用をできるだけ安くおさえる必要があります。それもいろいろ紹介されていました。

たとえばリスニングだったら、
VOA Special English
CNN Student News
BBC Learning English

ライティングなら、
Lang-8

いずれも使えそうですね。知らなかったものもあったので、ちょっと使ってみたいです。リーディングについては、洋書を読むことが紹介されていました。それも難しいものではなくて、やさしい読みやすいもの。

これついては私のlink「洋書で学ぶ英語」のサイトで易しく読みやすい本を何百冊とご紹介しています。運が良ければ無料でダウンロードできるKindle洋書もご覧いただけますよ。

最後に、「最短距離か」に対する私の答えは、「イエス」です。