日常の中の非日常 コルデコット賞絵本大人向け

行橋市図書館の洋書レビューです。易しい英語の絵本を辞書なしで楽しく読んで、英語力を伸ばしたい方に活用していただけたらと思います。

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Shadow

洋書のタイトルは『Shadow』。日本語のタイトルは『影ぼっこ』。

いつもは「図書館の易しい英語の絵本を読もう」というコンセプトで洋書レビューを書いているのですが、こちらの絵本はちょっと難しいです。洋書のタイトルは『Shadow』。確か私は何年も前に一度読んでいるはずです。その時かすかに、「よーわからんかった」という記憶が残っています。今回図書館で見かけたので、もう一度読んでみました。さすがに何が何やらわからん、とは思いませんでしたが、今までご紹介した中では最も難しい部類に入ると思います。コルデコット賞受賞作品です。

表現がとてもきれいなんです。芸術的すぎて、前回のミッフィーちゃんのお話の内容と比べると断然大人向き。本のタイトルになっている「Shadow 影」のストーリーです。影っていったい何なのでしょうか。影は日中いたるところにいるのです。でもモノそのものには影は存在しないのです。影を表現する言葉には迫力があり、それに拍車をかけるような迫力のある影を描いた切り絵。普段は気にも留めない影を、ここまで不思議で恐ろしげな影として描いた絵本。日常でありながら、非日常が共存しているような、不思議な感覚になれる絵本でした。

YL 4.5
総語数 720