命の物語 その2

昨日の続きで、図書館で借りた2冊目の本をご紹介します。

『いのちをいただく』

絵本というか、児童書といっていいかもしれません。もちろん、大人向けでもあります。文字は少な目。すぐに読めます。けれど中身は濃いですね。この物語は、食肉加工センターに勤める坂本さんという方が登場します。牛を殺して、お肉にするお仕事をされているのです。坂本さんは、この仕事を辞めたい辞めたいと思っていたのです。辛いのです。

誰かが牛を殺さなければ、牛のお肉は食べられないということをわかってはいても、嫌なのです。坂本さんの小学生3年の子どもがいます。参観日に坂本さんが観に行くことになりました。その日は社会科でいろいろな仕事についての授業をしていました。坂本さんの子どもは、先生にお父さんの仕事について聞かれた時に、「普通の肉屋です」とだけ答えました。この心境、わかりますか?複雑ですよね。坂本君は後で先生にあることを言われるのです。それは坂本君の心を楽にする言葉でした。素晴らしい先生ですね。ちゃんと見ているのですから。

ある日、坂本さんの食肉加工センターにはいつものように牛がトラックで運ばれてきました。見ると、小さな女の子もいました。牛の名前は「みいちゃん」。実は女の子、みいちゃんをとてもかわいがっていたのです。想像すると胸が締め付けられると思いませんか?その気持ち、どこからくる?なぜ殺さなくちゃならない?なぜ食べなくちゃならない?そういうことを深く考えて、私たちはご飯を食べる前に「いただきます」と言えるのです。

生きるために殺す・・・命の大切さはそこにあるのかも

生きるためには、殺さなくてはならないのですね。それは人間に限らず。生きる存在はすべて、命をいただいて生きている。だから無駄にはできない。食べ物も、命も。殺して食べた命だから、命を大切にしたい。命を大事に思いたい。感謝したい。だって、生きるためには食べなくちゃならないのだもの。それが生きるってことだから。

食べられること、生きていられることに感謝すること。それはとても尊い気持ちなのだと思います。たくさんの命に支えられた自分の命。その命の重さは、自分以外のすべての生き物も同じ。だから大切にしたい「いただきます」の気持ちと言葉。生き物の命をもらって生きるという点について、書ききれないほどの思いが、私にはあります。

多くの命の上に成り立つ自分の命

例えば動物実験。私はできる限り実験に使われる個体の数は減らすべきだと思います。だからできる限り代替法へ移行できるものはして欲しい。けれども動物実験をゼロにすることは、不可能だと思います。病気になったとき、薬が要りますよね。医療器具を使いますよね。それらの安全性は、動物で試験されて保証されているのです。

私は学校を卒業して、初めに就いた職は医薬品・医療用具の安全性試験をする研究機関でした。つまりは動物実験をしていたのです。3年務めましたが、その間、葛藤がありました。自分なりに心のあり方を決めて取り組まなくては、仕事になりません。
私が心に決めたことは、誰かがしなければならないのなら、動物にできるだけ苦痛を感じさせないよう技術を磨くことでした。

もう二度とやりたくない仕事です。でも誰かがやらねばならないのです。一つだけ、現場を知っている私が言いたいこと、聞いてもらえますか。私の職場では、実験に携わっている人のほとんどが動物を愛する人達でした。私も実際やってみて思いましたが、動物に対する愛情がなくては務まらない仕事です。

すべての経験を生かすこと それが命への感謝

話しがそれましたね。それたついでにその後のことも書いてみようと思います。この経験は、その後少しですが役に立てることができました。一つは実家にいた老犬を介護してたとき。目が見えず、心臓・腎臓が悪く、てんかん発作が起き、極度の貧血が続いていました。通院も身体に負担がかかります。そこで動物病院でする点滴と皮下注射を、自宅で私がしていました。私が病院へ行って、点滴と注射の薬などを取りに行くだけなので、犬には負担をかけずに介護できました。

二つめは、うさぎ。今長老うさぎがいます。介護が必要です。斜頸と白内障と、足腰が弱って立てません。注射などは必要ないですが、斜頸がひどい時は強制給餌もしていました。今は薬を飲ませたり、塗ったり、グルーミングもしています。動物実験でうさぎを扱っていたので、身体のことをよく知っています。もちろん、飼うようになってからはもっと勉強しました。あの経験は、全く無駄にはなっていないということですね。

考えてみれば、何でもそうなんです。どんな経験も、自分がどんな気持ちでいるか、どう活かすか。それが大事なんですね。また長くなってしまいました。次回はぽこすけの本のネタです。ぽこすけの動画も公開します。

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コメント

  1. 佐藤 ゆかり より:

    1 ■無題
    先日、イギリスのプロのシェフが腕を競うコンテスト番組を見ていた時、似たようなことを感じました。審査員の一人のミシュランスターレストランで働くシェフが、お手本として鳥のさばき方を見せているとき、羽をはぎながら「リスペクトを持って料理する」と言っていました。まったくその通り、素敵なシェフだと思いました。
    http://ameblo.jp/myjapanmyuk/

  2. われもこ より:

    2 ■Re:ゆかりさんへ
    >佐藤 ゆかりさん
    コメントありがとうございます。
    そうなのですね。
    心を持って過ごすこと、何かを行うことで、毎日が全く違って見えてくるような気がします。
    何かを極めようとする人は特に、見落としがち、忘れがちだけど、基本的で大事なものをちゃんと見ているのですね。
    http://ameblo.jp/waremoko-tadoku/

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