行橋市図書館の洋書レビューです。易しい英語の絵本を楽しく読みながら、英語力を伸ばしたい方に、活用していただけたらと思います。
Alexander and the Wind-Up Mouse
洋書のタイトルは『Alexander and the Wind-Up Mouse』。Swimmy(スイミー)で有名なLeo Lionni(レオ・レオニ)さんの絵本です。Leo Lionniさんの絵本に、外れはないと思いました。今まで何冊か読みましたが、どれもすごくいい。
この絵本は本物のねずみAlexanderと、ぜんまい仕掛けのねずみWillyのお話。Alexanderはあるとき、Willyに出会います。あまりにも違う二人の境遇。Alexanderは家の人間に姿を見られるだけで、大声で叫ばれて、追い回されるのです。一方Willyはこの家の娘Annieのお気に入りで、いつもふかふかの枕で眠り、大事にされています。
あまりにも自分と世界に生きるWilly。AlexanderはWillyと度々話をする仲になりました。あるとき、Willyに不思議な話を聞きます。庭にいるトカゲには不思議な力があって、望みをかなえてくれるというのです。Alexanderはその話が頭から離れません。自分もWillyみたいなぜんまい仕掛けのねずみになったら、ここの家の人から愛されるだろうか・・・
でもトカゲに願いを聞いてもらうには、紫の小石が必要。探してもなかなか見つかりませんでした。ある日、幸せそうなWillyの生活が激変する出来事が起こりました。Alexanderはびっくり仰天。そしてWillyを気の毒に思うのです。そんなとき、偶然紫の小石を見つけるAlexander。トカゲのところへ飛んでいきました。そしてあることをお願いしたのです。
AlexanderとWilly。同じねずみでも、全く境遇の違う二人。私はWillyをうらやむAlexanderが、Willyにライバル心や敵意を持つのではなく、友情を感じたところにズキっときましたね。こういう素直な心を常に持ちたいものです。朗読していても、自然に感情がこもるいいお話でした。コルデコット・オナー賞受賞作品です。
YL 2.4
総語数 743