物覚えに年齢は関係ない! 言葉を覚えるとはどういうことか

先日ちょこっと紹介した、今われもこがやっているボキャビル本。

『Word Power Made Easy』

この本なんですがね(*注 洋書です)、語彙を増やすためにどうしたらいいかっていうことが、語彙力テストの後に書いていたのです。それがまた良いこと書いていて。思わずアンダーライン引きましたよ。

この本のいいとこって、読んでると勇気とやる気が湧いてくるとこです。ちょこっと紹介しますね。伝えたいこと、3つです。

1.言葉を闇雲に暗記しない 脳に余計な負担をかけない

この本で行う方法で語彙を増やすということは、あいまいな(よくわからない)単語を覚えたり学んだり、無関係な言葉を闇雲に暗記したりするのではな~い!

つまり語源からシステマティックに語彙を増やす。深い理解力、深く鋭い考察力を持ってね、ということです。

語源を学ぶということは、人が言葉を使ってきた歴史を学ぶということ。語源にさかのぼることにより、関係性の深い多くの言葉に精通した人になろう、と書いていました。

よく知られた単語の暗記法の中に、試験対策用に「出る単語」的な本があるじゃないですか。私もやったことありますが、全部覚えるなんて無理でした。ある程度は覚えます。でもそれは自分に必要だったり、洋書読んでて何度も見たことのある言葉。そしてそれに関係する言葉。

結局私たちは、意味が理解できる、そして使える言葉を優先して覚えていくのだと思います。全部覚える人は確かにいます。受験界では。でもそれは相当な努力家な気がします。

普通に子育てして、家事をして、仕事もしているような人や普通の忙しいビジネスパーソンは、よっぽどでなきゃやり通せないと思いませんか?

英単語の横に日本語の意味と例文が一つ載ってるだけですよ。それもその日本語すら知らなかったり、自分で使ったことない言葉だったりしたらどうです?日本語でもよー使わんのに、なんで英語が使えるねんって思いませんか?

私たち大人は、もう母国語である日本語をそこそこ習得できていますから、語源からさかのぼってみるというのは、有効だと思うのです。

2.子どもと大人の学習能力の違いはわずか それよりも思い込みが悪

子どもは貪欲にいろんなことを覚えていきます。それに対して大人は?忘れないでください。あなたもかつては子どもだったことを。

この本によると、子どもは一般的に10歳で約20,000語の語彙を持つと言われています。言葉を覚え始めるころからすると、子どもは一年にもんのすごい量の言葉を覚えていることになります。

これがかつてのあなたよ。

じゃあ、なぜ大人は子どもに比べて暗記力が劣ると思わわているの? 大人は単語を覚えるために、単語をノートに書いたり辞書を使ったり、単語ノートを作ったりしているけど、子どもはそんなことしてないよね・・・

そういう方法をとらず、子どもは・・・どうしてる?

そう、なぜなぜ攻撃。

子どもには、Powerful urge to learn (学びへの強い衝動)があるのですって。

このPowerful urge to learn が、大人になるにつれ、次第に失われていくのだそう。今ある知識に満足してしまっている、あるいは事足りてしまっているからなんですって。

うん、わかる気がします。

著者はこう言います。再び Powerful urge to learn を取り戻そう!と。

すると、驚異的に語彙を増やすことができるらしいです。それは年齢に関係なく。

No matter what your present age.

有名な教育心理学者であるlinkEdward Thorndikeという人がいて、その人の研究では、学習能力は20歳がMAXだということがわかっているそうです。

それから少しずつ能力が低下すれど、その低下は非常に緩やかなんですと!! 低下率のトータルは15%を上回ることはないそうです!! ちょっとちょっと!! それが本当なら、あきらめちゃいけません。

こういう研究結果を根拠に、年齢は関係ない!!と主張しているのですね。

3.単語はシンボル その背景にあるものを理解することが大事

「単語」は増やすのではない。「単語」はアイデア(思考)のシンボル(記号)でしかないと著者は言います。単語を増やす、学ぶこと自体に精を出すのではなく、事実・理論・概観・情報・知識・理解力を学ぶのだそうです。

難しい内容ですね。この本の中身を読んだ私なりの解釈をします。

要するに、言葉を単体で覚えてもダメだということですね。その言葉がどんな風に使われるのか、文章の中でどんな意味を持っているのか、どんな場面で使うのが適切なのかなども知る必要があるのですよね。そして語源から学ぶことで、深い理解を持って且つ効率的にそれを行うことができるということでしょうか。

どうですか? この本、ただの単語集よりは深いでしょう?この著者は私、結構好きなのです。このほかに『INSTANT WORD POWER』という著書があります。こちらのほうが有名かもしれません。

ネイティブの英語の先生の指導は・・・?

実は以前通っていた英会話の先生(オーストラリア人)に、この語源で単語を覚えていることを話したのです。本も見せて。するとあまりいい顔しなかった><;

本に載っている言葉が難しすぎるという理由です。もっと実用的な単語を学んだらどうかと。

うーん、この本に出てくる単語は、特に日本語では難しいものは見当たらないのだけど、と私は思いました。確かにレベルは低くないです。でも洋書を読んでいたら、結構役に立つんですよ。

先日は小倉を歩いていたら、この本に出ていて覚えた単語がカタカナで書かれていて、意味が解ってうれしかったです。私は日常で全く目にしないと感じていませんでしたが、先生は日常であまり使わないと。

たとえば、と言って先生がこの本からピックアップした単語はたまたま私がよく知っている単語で、仕事でもよく使っていた言葉の仲間でした。多分理系の人にはお馴染みのワード。

もしかしたらその単語は、一般的ではないかもしれない。でも私たち大人は、みんな一般的な言葉ばかり知っているのではないと思うんです。それぞれに得意分野があり、専門分野があるはず。だから一般的ではないというただその理由だけで、私はダメとは思わなかったです。

で、その先生に、質問しました。「じゃあ先生は、どうやって言葉を覚えたらいいと思いますか」って。すると、ノートに英単語、英語の意味、日本語の意味、例文を1-2文書きなさいと。

「え~マジで?!やだ、やりたくないーー;」といった私を不思議そうな目で見ていました。(注 英語だったから、こんな無礼な言い方はしてなかったハズです 汗)

さらに意地悪な(?)質問もしてみました。「ところで先生は、そうやって日本語を覚えましたか?」って・・・。この答えは・・・?ムフフ^m^

まぁやっぱりね、母国語を覚えるのと外国語を覚えるのとでは違うし、だからこそ、ネイティブが自分の母国語を外国人に教えるのは難しいということです。