大切なものが見えなくなるcurse

タイトルで使ったcurse=呪いです。この言葉が日本語より先に浮かんだのでタイトルにしてみました。

人間は地位や名誉やお金やプライドに溺れてしまうと、まるでcurseにかかってしまったように、人格が変わってしまうのでしょうか。大切なものが見えなくなるメガネをかけてしまうのでしょうか。Kindleストアで無料ダウンロードした洋書が、非常に面白い。

Kindleで読む洋書、ほぼ全て無料でダウンロードしています。100円ぐらいで買ったのが3冊だけ。読み終えた約350冊のKindle洋書たちは全て無料。(全て児童書・絵本の類です)無料ダウンロードした350冊の洋書の中でベスト3に確実に入る洋書がコレ。

A Horse Called September

洋書のタイトルは『A Horse Called September』。まだ読んでる途中なので、ちゃんとしたレビューは改めて後日アップします。アマゾンのレビューが多いので、「今無料だし一応ダウンロードしとくか」ぐらいの気持ちでした。それがもうページをめくる度にどんどん引き込まれていく。農場主の一人娘と、その農場で働くお父さんの娘、そして馬のお話です。

小さいころから一緒に仲よく遊んで大きくなった女の子二人は、馬が大好きなのです。とても仲良しで、二人の間には秘密ごとはなかったのです。ところが農場主のお父さんが、娘を一流のショージャンパーにしたくて、ある有名な乗馬の名門校へ転校させることにしたのです。これを機に、女の子二人は離れ離れになります。二人は別れ際、学校が休みに入ったらまた会おう私たちの友情は変わらない、と誓ったのです。

セレブも通う乗馬の学校・・・農場主のお嬢さんと、その雇用者の娘。わかりきった展開なのですが、やりきれない。ショージャンパーを目指す女の子は、今まで自分がいたところと全く違う世界でたちふるまわなくてはならない。実家の父親は、大きなショーでの入賞に全財産かける狂気ぶり。その重圧をひしひし感じる娘。学校の休みに入り、実家に戻るのですが、ショーに出るつもりにしていた馬Septemberが負傷します。

ここでの農場主と娘の言動に私、絶句しました。それ以前に、乗馬の名門校へ通いだした女の子の人格が変わってしまった様子にも愕然とします。あり得ること、予想できたこととはいえ、やはりショックです。かつて自分の親友で、Septemberの世話を頼んでいた女の子に対して、「使用人の子」という感じのあからさまに見下した物言いにも、びっくりします。Septemberの身の上に起きる不幸と、ハラハラドキドキは、本を読んでいることを忘れて、まるで自分がその場にいるような感覚になりました。

だいたいラストは予測できるのに、それでも目が離せない、先が早く読みたくなる。そんなお話です。今は無料じゃないのが残念・・・。