文字の裏に隠れた感情も理解できる英語力のために

3月16日(日)、TOEICの試験を受けます。受けるからにはそれなりのスコアを出そう!というのと、今の自分の英語力をこの機会に伸ばせるところは伸ばしてみようと思いました。

英語力UPのためのTOEIC

早朝の30分が私のTOIEC受験のための勉強時間。それ以上は取りません。というか、取れません。それに、真の目的は英語力UPであり、スコアUPではないので、TOEIC対策だけに大切な時間を割きたくないというのもあります。
TOEICで一番苦手だったのは、パート5。このパートを攻略するのが大きな課題でした。それでどうすれば限られた時間内に、ここの苦手意識を取り除き、また正答率をUPするか、考えに考えました。といっても、「う~ん・・・」と考え込んでいたのではなく、演習して解説を読みながら、自分に今足りてないのはどこなのかを、考えながらの朝練。

パート5に特化して朝練していたのは、もうずっと前のことです。試験日2か月前からは、試験全体を見据えた演習に切り替えました。勝負の日が刻々と近づいているわけですが、今の私に足りてないところがわかり、そこを伸ばすと、洋書を読むのもまた一段と面白くなるし、英語力全体がUPするのではと思い、参考になる本を探していました。

いろいろ見て、行きついたのが有名な『日本人の英語』です(マーク・ピーターセン著)。まずは図書館へ行って、この著者の蔵書を全て検索して、参考になりそうなものを全部借りました。といっても3冊だけでしたが。
借りたのは『日本人の英語』、『心にとどく英語』、『実践 日本人の英語』の3冊です。
始めはザーッと流し読みするつもりでした。ところが中を見ると、じっくり読みたい部分が多々ありました。あまり時間もないし、全部じっくりは無理そうだから、今の私に一番必要な情報が書かれている本を1冊選ぶという視点で、3冊をざっと眺めました。
選んだ1冊は『心にとどく英語』でした。

『心にとどく英語』

心にとどく英語 (岩波新書)

私が今伸ばしたいと思っている部分とマッチした内容で、読んでいて一番面白かったです。たとえば、日本人は助動詞の使い方があまり得意ではないらしい。これらの助動詞の違い、感覚的にわかりますか?
I might not go …
I won’t go …
I wouldn’t go …
I shouldn’t go …
I mustn’t go …
I don’t have to go …

学校英語がさっぱりできなかった私ですが、これらの助動詞は、洋書を読んでいたらいつも目にするものが多い。特にwould多い気がするわ~。ストーリーを読んでいたら、これらも意味が理解できるのでしょうが、果たして自分から何か語を発信するときに、意識しなくても感覚的にさらりと使えるか、っていうと、まだまだ。

英語感覚を磨く

あと、英語らしい表現ってあるじゃないですか。ジョークとかもそうだし、会話の中にある日本語にはないセンスというのかしら。そういうのを自分も身につけたいなと思いました。今は洋書を読むうちに、何となく身についた感覚程度なのですが、それらをしっかりとした感覚にしたい。例文を読んでいたら楽しくて、日本語での解説を読みながら、「あ、この感覚はあってたな。」とか、「あ、これはそういう意味だったのか。」などなど、いろいろ得る物がありそうです。

有名な映画のセリフが引用されていたりして、それを読むのもまた面白いです。たとえば『ローマの休日』のワンシーン。
お城から逃げ出したアン王女が、「逃げ出したの・・・学校から」と半分嘘の告白をするところ。
ジョーはこう言います。"Well, you don’t just run away from school for nothing."
ここでジョーは、アンが逃げ出したのは昨夜なのだから、don’tではなく、didn’tにしてもいいはず。ここをわざわざ過去形にせずに、現在形を使っているところが彼の優しさの表れ。ここをdon’tとすることにより、「人間というものは普通、~しないだろう。」という一般論になります。
もしもdidn’tにしたら、you=アン王女ということになり、「理由もなく逃げ出したわけじゃないでしょう。」という言葉をアン自身に向けることになります。don’tに変えることにより、人は誰でも理由なしには逃げ出したりしないだろう、という風にちょっと柔らかい言葉に変えたのですね。

そういう部分も、英語を聞いたり読んだりしたときに、しっかり感覚で理解することで、物語や登場人物を、もっともっと深く理解できるようになると思います。それは映画や洋書を読むときだけではなく、実際に英語を使って交流するときにも、深く相手を理解できることになります。私は今、そういう力を少しずつでもいいから、つけていきたいと思います。
こういう力は、日本語で理解しようとしてもなかなかできるものではありません。英語のネイティブであり、日本語が堪能な著者だからこそできる解説ってあると思うのですね。でもそれを読むだけではダメ。本当にわかったことにはならない。

やっぱり学ぶべきテキストは洋書であり、映画や歌。『心にとどく英語』は、「英語のXXって、前から日本語の○○と思っているのだけど、実際英語ネイティブの感覚でいうと、どうなのかな?」という部分を、英語のネイティブが堪能な日本語で解説してくれるのがいい。英語の感覚を持った人が、日本語で少し手助けしてくれることで、スッとわかることもあると思うんです。『心にとどく英語』、購入して手元に置いておこうと思います。この本は一気に通読するというよりも、ふとした時に手に取ってちょっと読んでみるという使い方になると思います。

心にとどく英語 (岩波新書)

TOEIC対策についての詳細は、今後記事にするかもしれないし、しないかもしれません。ユニークなアプローチとして、あるいは多読とリンクさせて書くかもしれません。
今回のTOEIC体験は、少なからず私の英語に対する意識に影響を与えました。TOEIC対策に対する認識も少し変わりました。そういうのも含めて、書けたら書きます。