宮崎・高千穂峡と天岩戸神社、日帰り大急ぎの旅

今年の夏、8月のこと。わが家は前日の夜に思い立って小旅行というパターンが多いです。このときもそうでした。前日の夜に、私が子どもの頃に毎年夏休みをまるまる過ごしていた、宮崎の日之影町という田舎の話をしていました。

高千穂峡が近くにあって、よく行ったな~と言うと、夫がいきなり「明日行こう!」と言い出しました。少し前に熊本で親戚と久しぶりに会ったのですが、そういえば田舎にはしばらく帰ってないな~と思っていたところでした。

日帰りのドライブ 行橋(福岡県)~高千穂

日帰りのドライブもできんことはないが、かなりハード。片道およそ200Kmの旅。それも朝早く起きて出発!って感じでもなく、朝9時頃だったかしら。自宅を出発しました。高千穂に行く途中に祖母が住んでいた家、私が子ども時代に夏休みをフルに過ごした家にも寄ろうということに。今は叔父と叔母が住んでいるので、いきなり叔母に電話。「今から行きます」と。

本当に突然の連絡。夫がせっかくだから叔父叔母も訪ねようと提案し、電話をかけたのが延岡市に入ってから。急なお願いだったにもかかわらず、あたたかく受け入れてくれた叔母。それなら高速に乗るといいと教えてもらい、電話してから30分後には、もう叔母が高速降りてすぐのところまで車で迎えに来てくれていました。

そういえば、私が子どもの頃は高速道路なんてなくて、延岡に出るのも時間かかったよな~なんて記憶がよみがえったりして。懐かしい家に入り、興奮気味にぽこすけ(息子)にいろいろ昔の話をして聞かせました。子どもは初めて母の田舎へ来たのです。夫もね。結婚9年目にして。

そういえば少し前にこの辺り、高千穂郷・椎葉山地域が農業世界遺産に認定されたことを知りました。別の叔母からラインでYouTubeのショートドキュメンタリームービーを送ってもらったのでした。その動画の中に、今回訪ねた叔父叔母の家の中でのシーンがあって、叔父叔母、そして孫(私にとっては甥)も出演していました。そのムービーは↓

私の子ども時代に過ごした家は、今は改築されて平屋から2階建てに変わりましたが、家のあちらこちらに歴史が感じられました。懐かしくて近所もウロウロしたかったけど、時間がないので話はそこそこに、高千穂峡へ向かうことに。

いきなり訪ねてきたのに、カーナビには出てこないショートカットを教えたると言って、私たちの車を先導してくれた上に、せっかくだから天岩戸神社も案内するよと言ってくれました。本当に良くしてもらいました。

めちゃめちゃ久しぶりの天岩戸神社

天岩戸神社ももちろん、祖母宅から近くだったので子ども時代にはよく来ました。でも記憶がぼんやりしていて、断片的にしか覚えていないのです。

行ってみると、記憶とはかなり違っていました。私は天岩戸神社といえば天安河原宮(あまのやすがわら)しか覚えていませんでした。こんなに立派な神社とは思っていなくて><; あと、夜に怖い踊りをするところね(笑)

高千穂の夜神楽」。多分、幼児期の頃見たと思うのです。すごく怖かった記憶が。

残念ながら唯一記憶に残っている天安河原宮へは、時間の関係上たどり着けず、途中の橋手前で引き返しました。次はじっくりと観光したいです!

天安河原宮への道のりは、さすが神話の里と言われるだけあって景色や空気までもが神々しく、自然に背筋が伸びる気がしました。

ため息が出るほど美しい色でした。

私たちは西本宮の方から入りました。入口入ってすぐ辺りにこんなものが。

別に俳句に詳しいわけじゃないんですけど、天岩戸神社という場所もあり、過去へタイムスリップしやすくなっているみたい。芭蕉が句にしたときの光景をイメージしながら、深呼吸。なんかやっぱり空気が違う気がしました。

天岩戸神社の最後に、神社内の案内図を・・・。

飽きるほど来た高千穂峡も、今は懐かしさでいっぱい

本当に子どもの頃、庭と言ってもいいほど頻繁に来た場所です。飽きるほど来ました。そしてたくさんの思い出も、祖母や親戚に作ってもらいました。

大人になっても高千穂峡は来たことがあって、まだ祖母も元気なときでした。私はまだ20代半ばで、若かったな~。おばあちゃんと一緒に歩いた高千穂峡の道。意外と険しかったのね^^;

前を歩く夫と子どもの背中を眺めながら、昔歩いたであろうこの道を、およそ40年後に夫と子どもと3人で歩くなんて、想像もしなかったな~なんて感慨にふけっていました(笑)

すると子どもが何か見つけたらしく、木に駆け寄って行きました!「何だ何だ?」私も後ろから追いかけて目にしたものは・・・。

は・・・カ・・・カブトムシとセミね(~~; うちの子は本当にカブトムシやらセミやら昆虫が大好き。

「カブトムシとセミが仲良く並んでるよ!^^!」と子どもが言うので、一応記録に・・・と一枚撮影。

実は帰宅後、夫が「あの時のセミにカビ生えてたよね」というので、「うっそ~ん!マジで?!」とびっくり( ゚Д゚)

すぐに「せやせや、写真撮ってあんねん!」と言って写真を確認すると・・・。

ほんまや・・・。すご。ていうか、夫がそんなところまでしっかり見ているとは、それも驚き。

なんかやっぱ、高千穂って悠久の時を感じてしまう。

緑の苔がこんなにも美しいんだもの。美しすぎてまたまたため息が出るわ。

さあ、やっと着きました。真名井の滝。子どもの頃は友達へのお土産に、よくこの滝の絵ハガキ買ったな~。日本の滝100選にも選定されているとのこと。本当はボートに乗りたかったのだけど、受付時間に間に合わなかったので乗れませんでした。残念><;

滝の他にもう一つ。高千穂峡といえば柱状節理(ちゅうじょうせつり)。直線的な荒々しい岩。

柱状節理とは・・・。

高千穂峡を形成する柱状の渓谷を「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と言います。大昔、阿蘇山の大爆発により流れ出た火砕流が長い年月をかけて侵食され、現在のような深くそして美しい岩肌を造りあげたのです。

高千穂峡 | 高千穂町のホームページ

思いつきでここまで来てしまったけど、来てよかったと思うと同時に、もっと時間があったら!と感じました。今度はゆっくりと、叔父叔母のところもゆっくり訪ね、近所の散策もしたいです!小さな村なので、子どもの頃外を歩いていると、「帰ってきてるのね」とよく声をかけてもらいました。大好きだった豚の足を買いに行ったお店、プール、公園(遊園地と呼んでいた 爆)、小さなスーパーはどうなったのだろう。

お隣のお豆腐屋さんと、裏のブロック工場は廃業、公園の隣の保育園は閉園したと聞きました。グーグルマップで近所のガソリンスタンドが無くなっているのを知りました。いろいろ変わったなぁ・・・。

私にとって、一番のショックは高千穂線が廃線になったこと。もっともこれは、大阪にまだ鉄道博物館があったときに、そこで知った情報なのですが^^; 叔母さんに聞いたら、車を運転できないお年寄りの方がすごく困っているのだそう。っていうか、お年寄りが多い場所なのに、相当困っているのでしょうね。ただ、民間が将来的に復活させようと試みているらしいことを、ウィキペディアで読みました。どうなるのか、でも日之影町に電車が走るようになるころには、また村の様子がかわっているのかも。

叔母の家は五右衛門風呂が現役とのこと(注:急いで記事を書いたので、書き間違えました。本当のところは)五右衛門風呂は無くなっていたのだけど、今でも薪でお風呂を焚いているとのこと、うれしかったです。夕方になると、あちこちの家の煙突からゆら~りと煙が見え、薪が燃えるにおいがしてくると「そろそろ帰らなくちゃ」と思っていたのを懐かしく思い出します。

神の里に、また来よう

あっという間に帰らなくちゃいけない時間に。叔父叔母とは、高千穂峡の駐車場で別れました。昔毎夏、1か月田舎にいて関西に戻る時、別れが寂しくて泣いていたのを思い出しました。叔母さんの眼に、あの時のように涙が光るのが見えました。いくつになっても叔母と姪なんだなと思いました。とても温かいおばさんなんです。

高千穂で凝縮した時間を過ごしました。帰り道もまた美しかったので、車内から何枚か景色を撮影。

必ず、また来よう。