<ベトナム・ハノイ2日目>技能実習生として日本に発つまでの訓練所と旧市街観光続き

ベトナム旅行2日目です。1日目の記事は「ベトナム・ハノイ2泊3日の旅1日目~旧市街散策」にまとめています。

2日目はベトナムから日本に送り出す技能実習生を養成する施設へ行きました。午後からは引き続きハノイ旧市街の散策をしました。

職業訓練センター視察

2日目は朝から職業訓練センターと日本語教育センターの視察です。ダンナちゃんの仕事の一環(出張?)としての旅なのです。私とぽこすけも同行しました。私は日本語教室でボランティアとして日本語を外国の方に教えているので、興味津々。ベトナムの学習者さんとも交流することがあったので、彼らがどのようにベトナムで日本語を勉強して技能実習生として日本に来るのか知りたかったのです。

私はあくまでもダンナちゃんにくっついてきたという立場なので、立ち入った質問は控えました。興味はあったのですが、このツアーに関しては部外者的存在なので^^; 職業訓練センターではセンターで先生として働いている女性に案内してもらいました。彼女もまた、日本に3年間技能実習生として働いていたそうです。帰国して今の仕事に就いたとのこと。日本語がとても上手でした。彼女といろいろお話することもできました。写真を撮っても良いと言われたので、数枚撮りました。

2018年から建設業でも実習生を受けいれることができるようになったのですね。訓練センターには、日本製の建設に使う工具などが置かれていました。日本で働くのだから、道具は日本で使っているもので訓練するそうです。左官の練習をする場所もありました。施設のあちこちに貼り紙があって、日本語とベトナム語で書かれていました。それを読んだ印象は・・・真剣そのもの、いい加減な気持ちの子なんて、一人もいないのだろうなと感じました。あちこちで日本語であいさつの練習をしている声が聞こえました。にこやかに丁寧に対応してもらった職業訓練センターを後にして、次は日本語教育センターへ向かいました。

日本語教育センター視察

日本語教育センターでは日本人に対応していただきました。関西弁だったのでびっくり。思わず私も関西人ですと返してしまいました(笑)ここでは軍隊さながらの寮生活を見せてもらいました。質素な生活と規則正しい生活。そして猛勉強。生徒さん達は日本語の猛勉強をさせられているのではなく、自発的にしているのだそうです。起床時間と就寝時間が決まっているのですが、その時間よりも早く起きて遅く寝る生活を自発的にしているのだとか。睡眠時間が3時間ぐらいの生徒たちは多いそうです。驚きです。約半年の間に、日本語が全く話せない状態から、日本語での会話ができるまでにならなくてはいけないのですから、真剣そのものです。

私たちが訪れた日本語教育センターでは、日本語を教えるだけではなく日本でのマナーも徹底的に教えます。校内では絶対にごみをポイ捨てしないこと、整理整頓も徹底しています。持ち物も制限されていて、軍隊のような厳しい生活ですと説明されました。その理由は、日本に行って彼らが恥ずかしい思い、辛い思いをしないためだそうです。

ベトナムで高校を卒業した子たちが日本へ行くことを決め、こうして職業訓練や日本語教育を受け、家族と離れて3年間知らない土地、知らない文化で暮らすのですから、苦労も並大抵のことではないと思います。寂しいでしょうし、悔しいこともいっぱいあると思います。私が参加しているボランティアの日本語教室で出会ったベトナムの人達のことを思いました。彼らもまた、厳しい訓練を受けて日本に来ているんだなと。

日本語教育センターは丁度休暇中で、多くの生徒さん達は家に帰っていました。けれど間もなく日本に出発する生徒さん達だけが学校に残っていて、そのクラスを見学させていただくことができました。女性ばかりのクラス。中に入ると20人ぐらいの彼女たちの視線が痛いくらいでした(笑)目をキラキラ輝かせて、素敵な笑顔。さわやかな気持ちになりました。

生徒さん達から私たちに、いろんな質問が。

教室では生徒さんたちからの質問を受けて、私たちが答えるという形で交流しました。印象は・・・みんなとても元気で明るくて、希望に満ち溢れた表情でした。まだ見ぬ日本に強い期待を持っているような。私たちがその日本から来たと知って、どんな風に思ったのだろう。そして日本に行った後、彼女らは何を思うのだろう。失望したりホームシックになったり?悲しい思いをしなければいいなと思いました。いい思い出とたくさんお金を稼いで、ベトナムに戻っていい仕事に就いて欲しいなと思いました。

地元の人に人気!フォーの専門店Pho 10 Ly Quac Su Restaurant

この後昼食でフォーを食べたのですが、とっても美味しかったです!地元では人気店ということで、ハノイに住むベトナム人ガイドさんに連れて行ってもらいました。

本当に地元の人ばかり。やっぱりスープが美味しい!ライムみたいな柑橘類をぎゅっと絞ってスープに入れると、あ~もう食欲がさらに増進されます。揚げパンはスープに浸して食べるのだと、教えてもらいました。なるほど、そうすればスープも楽しめるし、揚げパンが程よく柔らかくなって食べやすかったです。

ホアロー刑務所

視察は午前中で終わり、午後からは観光をしました。まずはホアロー刑務所に行きました。観光バスが前に止まり、ヨーロッパ人らしき人達がたくさん降りて、ホアロー刑務所に入って行きました。私たちも中に入りました。

フランス植民地時代の1896年にフランスが、当時あった村や寺を破壊または移転させて、この地に刑務所や裁判所を作ったそうです。ホアロー刑務所は当時「メゾンセントラル(Maison Centrale)」という刑務所の婉曲的な表現をされていて、現在も入口にMaison Centraleと書かれています。

中に入ると展示物や写真とその説明があって、当時の様子がよくわかりました。フランスがこの刑務所を立てた当時は、ベトナムの政治犯を収容する施設でした。1954年にインドシナ戦争でベトナムが勝利した後は、この建物はベトナムによって利用されました。ベトナム戦争中は、アメリカ人捕虜が収容されていました。

ホアロー収容所にはギロチンが展示されていました。このギロチンでベトナムの活動家が・・・。施設の庭に、活動家達の写真とどんな人だったかの説明が書かれていたのですが、若い人は10代で男性も女性もいました。彼らの勇気には、ただただ圧倒されるばかりです。脱獄したとされる地下の下水道も展示されていました。こんな狭いところから・・・実際それを見ると、ただ情報を読んで知るのとは大違いですね。

天井近くの小さな窓だけがある暗い独房や、広い部屋に足かせを付けられて身動きできないように何十人と繋がれている部屋と部屋の中には収容されている人々のリアルな人形がありました。実際に自分がタイムスリップしてその当時のホアロー刑務所に来たみたいでした。トイレはどうするの?食事は?この人達の未来は?収容された人たち同士でどんな会話をしていたの?などなど、想像するだけでも怖かったです。

ベトナム軍事歴史博物館

次に訪れたのがベトナム軍事歴史博物館です。この日は残念ながら休館日で建物の中に入ることはできませんでしたが、庭は入ることができました。通常よりも安い料金で、庭に展示されている戦闘機やその他の展示物を見ることができました。たくさんの観光客がいました。

中に入れなかったのは残念ですが、そこそこ広い庭だったので歩き回って写真を撮りました。展示の仕方が日本とは違っているな~と思いました。きれいな花がたくさん咲いていて、戦闘機と花って・・・ちょっと違和感ありでした。あと一つ驚いたのは、女性も戦士として戦っていたということ。銃か何か持った女性が子どもを膝にのせている像があったり、戦闘機の残骸を積み上げた展示があって、そこには女性兵士の写真がありました。

ベトナム戦争でアメリカに勝利したベトナム。その事実だけでも驚愕しますが、戦争の舞台となった地に行き自分の目で歴史を見ることで、自由を勝ち取るためにどれほどの犠牲と我慢を強いられたかを、ほんの一部にすぎませんが肌で感じることができました。とても貴重な経験でした。

エッグコーヒーって?

エッグコーヒーという看板を、街中のあちらこちらで目にしていました。どうやら今エッグコーヒーが大人気のようです。水上人形劇を観ようということになって、次の上演までの待ち時間が少しあったので、エッグコーヒーとやらを飲んでみることにしました。

エッグコーヒーは注文してから出て来るまで、結構な時間がかかりました。エッグって卵よね?それとコーヒー?!どんな組み合わせ??どんなものか想像さえできませんでした。実際飲んでみたら、まるでプリン。コーヒーの上にプリンが乗ってる?と思うようなお味でした。カスタードという表現をしている人もいるようです。ベトナムコーヒーに卵黄、砂糖、加糖練乳を入れて作るみたいです。プリンの味がするのも納得です。

エッグコーヒーのレシピを調べてみたら、なるほど時間がかかるはずだわ。男性一人で作っていたし。このカフェに来る前、トイレに行きたかったのだけど水上人形劇がある建物にあるトイレが長蛇の列だったので、カフェのトイレを借りました。ベトナム人のガイドさんが一言「結構○○ですよ」と私に忠告してくれました。でもここで我慢していたら、上演に間に合わないかもしれないと思い、トイレに入りました。

ベトナムのトイレ事情は、次に書くベトナム旅行最終日の記事にまとめます。

タンロン水上人形劇

ハノイのおすすめ観光地の一つに挙げられている、水上人形劇。戦争にまつわる観光地が続いたので、すっかり怯えていた9歳のぽこすけの気持ちをリフレッシュするために、タンロン水上人形劇を観ることにしました。

人形が出てきて演じるのは水の上。両端は舞台になっていて楽器を持った人と歌い手さんが10名ほど座っています。生演奏、生歌で人形劇が始まります。私はあまり詳しくないのですが、ベトナムに古くから伝わるお話のようでした。ホアンキエム湖の亀も出てきました。

びっくりしたのは写真撮影しても良いみたいで、みんなスマホで写真や動画を撮っていました。会場では全てベトナム語なので、撮影は禁止というようなことが言われていたかはわかりません。英語でも貼り紙などなかったので(多分^^;)、良いような感じでした。

言葉はわからないけれど、人形の動きがコミカルで面白かったです。歌や演奏もとても良かったです。中国語っぽい発声なんだな~と感じました。人形の動きが、本当は生きてるんじゃないかと思うほど自然だったのも驚きです。

水上人形劇の後、ホアンキエム湖にかかる赤い橋を渡って玉山祠という寺院に行きました。この寺院は人気の観光スポットです。

伝説の大亀のはく製が置かれている寺院。体調2メートル以上あるのですって!そして下がぽこすけが撮ったはく製になった大亀の写真。ホアンキエム湖で死んでいる大亀を市民が見つけたそうで、推定年齢100歳だそうです。

ローカルレストランで夕食

夕方の水上人形劇が終わって外に出たら、もう暗くなっていました。お腹もすいてきたし、旧市街をぶらぶらしながら夕食をとる場所を探しました。路上には小さなテーブルとイスがたくさん並べられていて、どのお店で食べようか迷うほど。私たちはぽこすけもいることだし、広々したところで食べたいと思ったので、レストランで食べることにしました。Green Farm Restaurantというお店にしました。

どれも美味しかったのですが、特にバインセオをライスペーパーで包んで食べるのが美味しかったです。パリパリのバインセオの中に炒めた野菜が挟まれています。店員さんがハサミでパリパリのバインセオを切って、パクチーなどの新鮮香味野菜と一緒にライスペーパーに巻いてくれました。

ビールと美味しいベトナム料理、最高ですね!お店は観光客でにぎわっていました。店員さんは英語が話せる人と、ベトナム語だけの人がいました。

金曜日のホアンキエム湖

ホアンキエム湖周辺は車・バイク・人で大賑わいです。けれど週末から一部の道路が車両通行止めになり、歩行者天国に。そして道路上で様々なイベントが行われます。歌、ダンス、ダーカウ、ジェンガ、子どもファッションショー、大道芸などを見ることができます。

夜の9時ぐらいになっても幼児ぐらいの子が、両親と一緒に楽しんでいました。人だかりがあちこちにあって、隙間から覗くと大道芸だったり、子どものファッションショーだったり。楽器の演奏や美声を披露する人々も。私が一番感動したのは、若者がしていたダーカウです。羽を足で蹴る遊びですが、めちゃくちゃ上手いやん!!足の裏でポーンと相手の方へ蹴り返すのです。まるでバドミントン!

毎週末、このようにホアンキエム湖周りは人でにぎわっているそうです。丁度夏になったばかりのハノイ。夜にこの賑わいの中を歩いていると、日本の夏祭りに似ているな~と感じました。

次回はハノイの旅3日目、最終日です。この日はちょっと足を延ばして、世界遺産のハロン湾へ行ってきました。