英語は訳さず学べ! キンドル・iPad・iPhone対応 ドクター苫米地の次世代英語脳のつくり方
苫米地さんの英語学習の本は、何冊もここで紹介しています。今回は『英語は訳さず学べ! キンドル・iPad・iPhone対応ドクター苫米地の次世代英語脳のつくり方』です。
英語脳を作るということ、クリティカルエイジなどについては、もうすでに過去記事で触れているので、新しい情報をメインに伝えたいと思います。この本で強く主張されているのは、英語習得には英語脳を作るということ、そのために英語環境を自ら作り出して、できるだけ日本語を排除して英語漬けの生活を送ることです。
そしてそのための方法として、今流行りのキンドル、iPadを使ってたくさん英語に触れよう、というのです。基本的にはその考え方には賛成です。では具体的に、キンドル、iPadを使って何をするのかというと、多読です。
それも著者がおすすめしているのは、古典です。著者おすすめの古典も、最後の方に紹介されていました。そして多読をしなさい、では話は終わっていません。ハイサイクル・リーディングというのを紹介しています。これは、フォトリーディングでもキーワードリーディングでもないのですって。>
フォトリーディングとかキーワードリーディングは、いわば拾い読み的な読み方をして、自分が求めている情報を収集するのにはいい方法なのだそうです。>しかし著者の本によく出てくる「スコトーマ」(見ようとしないため見えない部分、盲点)に陥ってしまう(言葉の使い方、これであってるか不確かですが)。
著者の提唱するハイサイクル・リーディングは、飛ばし読み、拾い読みとは違い、一行ずつ見ていく読み方だといいます。これは訓練がいるみたいで、訓練の仕方も書いていました。これでハイスピードで英文が読め、多読ができるというのです。
ここから私の感想に入りますが、率直に言うと、「難しそう」。なぜか。まず、紹介している古典、難しいです。そして英字新聞を読めと書いています。難しいです。その上、ハイスピードリーディングで訓練した後、読んでみたらそんなに難しく思えいでしょ、と、例として「種の起源」の一部抜粋がありました。いや、でもこれ、結構難しいね、と思いました。
「難しい」というのは、日頃英語に慣れ親しんでいない人、英語を使い慣れていない人なら、そう思うだろうな、という感想です。多読を始める以前の自分を思い返してみました。その当時の私には、とてもとても英字新聞なんて読めやしません。英文のハイスピード・リーディングって言われたって、日本語ですらできませんでしたよ。古典なんて眠くなるだけ。
中には古典をいきなり読んで、面白いと感じる人もいるでしょう。しかし多くの人は・・・どうでしょうか?日本語でも文学小説とか古典(古文ほど古くない古典)とか、好きで読んでる人って、そんなに多くはないと思うのです。日本語で読まないような本を、英語習得のために読むって、どうなんでしょうか。どっか無理してないですか?面白いと思えるような簡単な絵本でいいのです。全然問題ないです。
著者はただ英語ができればいいというものではないとお考えです。たしかに私もそう思います。でもだからといって、きれいで上品な(?)気品ある(?)英語を身につけるために、古典でなければならないとは思いません。言いすぎましたかね。古典だけがいいとは思いません。
いくらいい英語に触れて、それで学んだとしても、自分自身の教養・気品がなければ、そういうレベルの英語は話せないし書けないです。今の自分以上の自分を表現することはできないと思うんです。だから、日本語で読んでるのと同じレベルというか、ジャンルのものを目標にすればいいのではないでしょうか?
自分自身を変えたかったら、日本語環境から変えても遅くはないです。英語環境で自分の知識や教養をレベルアップするんだ、と思えばそうすればいいのです。あとはフォトリーディング、キーワードリーディングのとこですが、これは読む人の意識でなんとでもなる話だと思うので、フォトリーディングだから新しい情報(自分が思いもしなかった考え方など)に出会えない、というわけでもないと思います。著者も完全否定はしていませんし。
速く読む方法って、いろいろあるみたいですが、結局なんでもいい気がしてきました。一番大切なのは、読む人自身の意識、目的。そして得た情報を、どのように使うか。これが大事だと思います。それプラス、新しい考え方を柔軟に受け入れられる心・頭ですね。方法論にあれこれ迷わないことですね。