行橋市図書館の洋書レビューです。またまたコルデコット絵本。今回は2冊ご紹介します。
The Diverting History of John Gilpin
まずは1冊目『The Diverting History of John Gilpin』です。邦題:『ジョン・ギルピンのこっけいな出来事』。題名だけで笑えて来そうです。表紙画像はリンク先のウェブサイトRandolph Caldecott Society UKのものです。
コルデコット絵本の表紙 『The Diverting History of John Gilpin』
YL5.0 (意外に難しいので、初心者の方にはおすすめしません)
総語数1,470
Gilpin夫妻は結婚20周年。これまで一度も休暇を取ったことがなかったので、食事会でもということになります。夫婦の兄弟とその子供たちも招き、馬車に乗り込みますが全員乗れずにJohn Gilpinだけ馬に乗って、後からついて行くことに。
これが喜劇?悲劇?の始まりでした。シリアスな絵に不似合な状況が描かれていて、絵を見入ってしまいます。品行方正なGilpinさんに不似合なコミカルさ。「あ~あ・・・」と思わずつぶやいてしまいます。けれども奥様は肝を冷やすほど心配したのだということがわかります。そういうノリの絵本、ちょっと変わった雰囲気で面白かったです。
『The Farmer’s Boy』
2冊目は、『The Farmer’s Boy』。邦題:『農家の若者』です。こちらもよい画像があまりなく、リンクでご覧いただければと思います。
上に紹介したリンクにも、『The Farmer’s Boy』を見ることができますが、下記リンクでも見られます。このリンクはコルデコット絵本を紹介した、「コルデコットの絵本」というサイトの中にあるページです。
YL1.5
総語数590
文章はシンプルです。『Old Macdonald Had a Farm』の歌が元になっているようです。馬から始まり、羊やブタなどが登場し、繰り返しでどんどん長くなっていく積み上げ歌。ラストは少年だった頃に牧場で懸命に仕事をしている姿が描かれています。ラストの美しい青年がその男の子なのですね。
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コルデコット絵本は、何といっても絵が素晴らしいと思います。絵からいろんな想像が広がります。1冊目のGilpinさんの表情は本当にスゴイ。
「国立国会図書館 国際子ども図書館」のホームページの中に、「国際子ども図書館電子展示会」というページがあります。その中に『ジョン・ギルピンのこっけいな出来事』の解説があって、(以下引用です。)
ゴッホやゴーギャンが絶賛したとされる『ジョン・ギルピンのこっけいな出来事』の見開き場面は、アメリカで最も優れた絵本に与えられるコルデコット賞のメダルの図案になっている。
のだそうです。
古い時代の絵本から、今回も学びがたくさんありました。英語はなんというか・・・古い英語の文体というのかしら?そういうのは勉強していないのだけど、ずっと読んでいるとなんとなくわかってくるから不思議です。