ハチ公の最後の恋人

ハチ公の最後の恋人

吉本ばななさんの『ハチ公の最後の恋人』。これは入院中に読みました。病院に図書の貸し出しが来たので、退院が二日後に決まっていたのだけど、借りて深夜までかかりながら読みました。

病院に入院って言っても、ママたちは忙しいのです。3時間毎の授乳、入院中計3回の育児教室受講、この頃の私は一日2回の点滴(その間はあまり動けない)、毎日洗濯、売店へ買い物に行ったり、ぽこちゃんが寝ている間に自分も少し寝たり、シャワーを浴びに行ったり。トイレに行くのも、赤ちゃんを一人にしてはいけなくて、ナースステーションに預けにいくか、車椅子用の大きなトイレに一緒に入るかしなくてはいけません。

本の話ですが、なんだか惹かれるタイトルだったのです。ハチ公というのは、男性のあだ名です。ハチ公は生まれてすぐに両親に捨てられて、インドで育ちます。そこで育ての親のインド人から、スピリチュアルな(?)教育を受け、大人になって、山にこもって祈りをささげる人生を送ろうと決めるのです。

ハチ公には恋人がいましたが、事故で死んでしまいます。その後に主人公の女の子がハチ公の恋人になります。その彼女がハチ公にとって、山にこもる前の最後の恋人。山にこもると、結婚もしない、恋愛もしない。そういう人生を送るというのです。

二人のそれまでの時間の過ごし方が、期限つきの過ごし方が、切なくもあり、前向きでもあり、すがすがしさを感じました。普通の恋愛小説とは少し違った面白さがありました。

ところでなぜ私が1日2回の点滴を受けていたのかですが、ちょっとしたことがあり退院が延期に。そしてその間に流血事件が・・・。長くなりそうなので、この話は次回に・・・。