自己肯定感は軽視できない

子育てハッピーセミナー―講演

今度は子育てに関する本です。本のタイトルは『子育てハッピーセミナー―講演』。子育てハッピーアドバイスでおなじみの、明橋先生の著書です。シリーズ化されていて、とても人気です。これも図書館で見つけましたが、貸し出し中になっていることが多いシリーズ。これは講演DVDがついていて、本の内容は講演内容と全く同じです。

明橋先生のこのシリーズは、子育て中の親に限らず、幅広く人の心に響く本です。大なり小なり、私たちは心に傷を持っています。私ももちろんそうです。私はこのシリーズで、相当癒されました。私のトラウマは、もうすでに大分癒えているのですが、この本を読みながら、激しく同意することばかり。「そう、そういう言葉を聞きたかった!!」ってね。

子育てにももちろんとても参考になることばかり。そして何よりも、赤ちゃんを24時間お世話しているお母さんの心のよりどころです。つい毎日のイライラとストレスにどっぷりと浸かって、しかも話せる相手は旦那さんだけという小さなお子さんを持ったお母さんは、結構いらっしゃるのではないかと思います。

そんなとき、フッと心が緩んで優しい気持ちになれる。自分を褒めてあげたくなる。赤ちゃんがより愛しくなる。

このシリーズを読んで、幾度そんな気持ちに戻ることができただろう。とってもいい本です。お子さんがいらっしゃらない大人ばかりのご家族でも、とても癒されるのではないかと思います。

自己肯定感を基盤に

明橋先生が一貫して主張されていることは、しつけも勉強も、土台がしっかり築かれていなければちゃんと身につかない、ということです。これはとても説得力があります。

土台というのは何かというと自己肯定感。自分は存在していいんだ。自分はいるだけで価値のある人間だ。自分は愛されているんだ。そういうのが自己肯定感。

0歳から3歳ぐらいまでの間は、しつけや勉強よりもまずこの自己肯定感をしっかり育ててあげられるような関係を、子どもと親の間で作ること。土台がぐらぐらなのに、しつけや勉強を詰め込んだって、あるときぐらぐらしていた土台が崩れてしまったら、もう自己崩壊です。

私にも経験があるから、とても説得力があると感じています。きっと多くの方々が、これには共感できるのではないでしょうか。

日本の子どもたちは、実は世界的に見ても自己肯定感が非常に低いらしいです。よく、洋書を読んでいたら、お母さんが子どもに"I’m proud of you."と語りかけるセリフが出てきます。「あなたのことを誇りに思う。」なんてこと、あまり日本では子どもに言わないですね。

私の場合は、子どもの頃はいつもけなされて育っていました。「だからだめなんだ」っていうセリフですね。親からあまり褒められることはありませんでした。その結果(それだけが原因ではかもしれませんが)、いつも自分に自信が持てない人間になりました。等身大の自分を認識して、自信を持てるようになれたのは、いい年の大人になってからです。

大人になったら、もう親から育ててもらうことはないので、自分で自分を育て直しました。もちろん身近に心配してくれている人の協力もありました。それはそれでいい経験でしたが、私はもうそういうことを知っているのだから、同じ苦労は子どもにさせたくありません。どうせ苦労するなら、そこを飛び越えたステージで苦労をしたほうがいいと思います。私にできることは、やってあげたいですね。

とてもいい本です。読んでみる価値はあります。

余談ですが、DVDで実際の明橋先生を拝見しましたが、私のイメージとは若干ズレがありました。どうズレていたかは、内緒ということで。^m^