茨の木
本のタイトルは『茨の木』です。私はこの本の著者、さだまさしさんが大好きで、もうファンになってから30年以上経ちます。でもまっさんの著作物をすべて読んでいるわけではありません。小説家デビューしてからは、小説は読みたいと思い、この本を手にしました。これまでに精霊流し、夏解、眉山を読みました。どれも登場人物がみな、温かくて感動する作品ばかりでした。
茨の木は、その期待を裏切らないお話でした。まっさんらしい、というか、主人公の真二はどこかまっさんぽい雰囲気を持っているような。登場する人物はやはりとても温かく、味わいのある人が多かったです。
真二の実家は福岡で、両親と兄、兄のお嫁さんと子供たちがいる。ある日、なんでもないことから兄と喧嘩してしまい、兄をかばった父とも気まずくなり、そのままに。そして父とは和解しないまま、父が逝ってしまった。父の形見のバイオリンが兄から送られてきて、それを見ているうちにどうしてもこのバイオリンの作者に会いたくなり、スコットランドへ旅立った。そこから真二の行き当たりばったり的な旅が始まるのだが、いろんな素晴らしい出会いがあり、思いもしなかった感動のストーリーが展開されていく。
読後はさわやかな気持ちになりました。人間っていいなって感じることができる1冊です。
そしてもう1冊、今回読んだ育児書が面白かったので紹介します。
子どもの心の発達がわかる本
本のタイトルは『子どもの心の発達がわかる本』。図書館で借りてきました。なかなか面白い本でした。いろんな発見がありましたが、いくつか紹介しますね。
まず、生まれたばかりの赤ちゃんが微笑むことを、生理的微笑などと呼ぶそうです。このころの赤ちゃんは、私たちが笑ったりするのと違い、自分の意思で微笑んでいるわけではないそうですね。ではなぜ微笑むのか。この本には、親の愛情を勝ち取るために、プログラミングされているのだと書かれてありました。
生まれたばかりの赤ちゃんの知恵は、想像以上らしいです。たとえばぬいぐるみを、赤ちゃんの目の前でポトンと床に落とします。そしてつい立などでぬいぐるみを隠し、またポトンともう一つ、つい立の向こうにぬいぐるみを落とします。そして音を立てずにもう一つぬいぐるみをそっとつい立の向こうに置いて、全部で3つのぬいぐるみにしてから、つい立を取り除いて赤ちゃんに見せたら、「ん?」という、不思議そうな顔をするのですって!2個だと、「あたりまえ~」って顔するらしいですよ。
驚きですね~。
同じようなことで、箱の横に板を置いて、板を箱側に倒すと普通は板が箱にもたれかかりますよね。それをどうやってか知らないけど、箱側に板を倒したにも関わらず、その箱がなかったかのように、板がばたんと床の上に完全に横になって倒れるのを見ると、赤ちゃんはやっぱり「ん?」という顔をするらしいです!!
すごくないですか?経験なしにですよ!?驚いちゃいました。
それから赤ちゃんは、歩き始めるのとほぼ同時期に言葉を話すようになるのですって。それはなぜかというと、歩き始めると周囲(親など)との距離が遠くなるので、確実に意思疎通するためだそうです。
あ、あとね、赤ちゃんって、頭が大きくてかわいいでしょう?そういう形を「かわいい」って思えるよう、人間も動物もプログラミングされているのですって。だから愛情を持って世話ができるのだって書いていました。まぁ、親の愛情と言うのはかわいいだけで生まれるものではないのでしょうけれど、確かに動物の赤ちゃんもかわいいですからね。
なるほど~~の連続でした。