会いたかった―代理母出産という選択
本のタイトルは『会いたかった―代理母出産という選択』、向井亜紀さんの本です。かなり前にこれの前編「16週 あなたといた幸せな時間」を読んで、ブログで紹介しました。かなり時間があいてしまったのですが、本棚で私を呼んでいたので、手に取りました。
代理母出産なんて、私は考えたこともないので、これを選択する人がいったいどんな気持ちなのか、あまり深く考えたことはありませんでした。新しく生まれる命についてどう考えるか。それは人の価値観の数だけ答えがあるのでしょう。
私は向井さんの気持ち、経験はしていないけど、とてもよくわかったつもりでいます。彼女がたくさんのすばらしい出会いをして、ありえないほどの優しさに触れ、感動し、涙した、その過程を頭をフル回転しながら、想像し、感じ、ほんの一部ではあるでしょうけれど、心を痛め、感動を覚えました。
代理母出産の是非について、私なんかが論ずる気にもなれません。ただ、当事者達の中には私の想像を絶するほどの大きな愛と信頼で、依頼する側とされる側が硬く結ばれている人たちがいるのだということを知りました。ただただ圧倒されるばかりです。そのような方々の前で、私は何も語ることはできません。
私がこれまで出産について考えてきたことは、向井さんとは全く違うことですが、妊娠・出産について人一倍敏感(これまではむしろ否定的な意味で)だった私が、彼女の非常に細やかに気を使って書かれた文章に、嫌悪を感じるどころか、とても気持ちよく、自然に同調することができました。
非常にセンシティブな話題なので、感じ方は人によって全然違うでしょう。なので、強くオススメする本ではないのかもしれません。でもちょこっと興味のある人には、いい本なのだと思います。