家族で作る子どものデスク~9. デスク完成!(最終回)

3月27日、ものづくり工房へデスクを取りに行きました。前回が2月28日だったので、あれから1ヶ月近く経ったことになります。ダンナちゃんの仕事が忙しくて、休みが全くといっていいほどなかったのです;; デスクが完成し、オイル乾燥のために置かせていただくにしては、1ヶ月は長すぎる期間ですね(苦笑)。

ものづくり工房にて

机が積み込めるように、軽バンでものづくり工房へ向かいました。到着すると、なにやらたくさんの車が止まっていました。私達のデスクはちゃんと作業場に置かれていました。オイルが完全に乾いて、いい色合いになっていました。これを車に積んで、家具職人さんの酔工房へ向かいます。

予定ではものづくり工房の原さんも一緒に行くことになっていましたが、来客のために日を改めて行かれるとのこと。それならと、一旦車に積み込んだデスクを再び出して、原さんと記念撮影しました^^

ものづくり工房で記念撮影
ものづくり工房で記念撮影

自分達で作ろうと決めた、ぽこすけのデスク。原さんのものづくり工房を選んでよかったと、本当に思いました。工房には実にさまざまな工具が置いていて、使い方がよくわからなくても、きちんと教えてくださいます。でもこの工房を選んでよかったと思ったのは、それだけではありません。「こんなデスクを作りたい」と話したときに、原さんはすぐに「それならこの部分の加工は家具作りのプロに教えてもらったほうがいいでしょう」とアドバイスし、家具職人さんに連絡してくださったことで、私達が家具職人さんの酔工房へ通えるようになったのでした。

非常にゆっくりペースで作業を進める私達に、急かすこともなくずっと作りかけのデスクを預かっていただき、長期間場所を占領してしまいました><; すみません! デスクが完成したときも、一緒に喜んでくださいました。本当にありがとうございました!

そもそも私達がものづくり工房を知ったのは、大阪に住んでいる古くからの友人がテレビを見て、「行橋にものづくり工房というところがあるのね」と教えてくれたからでした。その友人にも感謝したいです。ありがとうございました!

酔工房にて

ものづくり工房から平尾台のほうへ少し車を走らせたところに、今回お世話になった家具職人さんの酔工房があります。どきどきしながら訪ねました。なぜどきどきしたかというと、前回のネジ打ちがうまく行ったとはいえなかったからでした。私は約1ヶ月間ものづくり工房でデスクを預かってもらっている間、ネジを打つ場所が悪くて天板が割れていたらどうしよう・・・という不安を抱いていました(笑) ものづくり工房で天板の状態を真っ先に見ましたが、そのような事態にはなっていなくてホッと胸をなでおろしました。

時間を伝えていたので、お庭でもう待っていてくださっていました。早速デスクを車から降ろし、見ていただきました。ドキドキが止まりません><; 横から見ると、やはり天板が反っているのがわかるし、ナットが木から抜け出そうな勢いだったのですから。しばらく見ていただいた後、やっぱり天板の反りの話しになりました。桟と天板をどのように固定したのかを説明すると、家具職人さんは別のアイデアを提案してくださいました。聞いた瞬間に「あー!絶対そっちのがいい!なんで思いつかんかったんやろー!」と・・・。そこが素人とプロの大きな違いなのでしょうけれど(笑)

そしてなんと!今から時間があるならここでしましょうか?と申し出てくださいました!「あります!あります!時間ならたっぷりと!」ということで、お言葉に甘えることになりました(笑) 結局こうなってしまう私達・・・^^;

作業開始! まずは埋めたナット、ネジをはずすところから

前回苦労して定規で測って位置を決め、取り付けたナットとネジを、すべて外していきます。あぁ・・・あの苦労はいったいなんだったんだ・・・という思いよりも、家具作りのプロに教えていただきながら、もっといいものができるということの喜びのほうが大きすぎて、惜しげもなく抜いていきました!(笑)

ねじをはずす
ねじをはずす

ナットの穴をふさぐ

ナットを埋めていた部分の穴をふさぐために、木の丸棒を使いました。下の画像のような丸い棒です。穴に丁度入る大きさの丸棒を選び、それをはめ込んで穴をふさぎました。

下の写真は、穴をふさぐために使った道具です。

この道具で穴を埋める
この道具で穴を埋める

はめ込むサイズはちょうど穴の大きさぐらいなので、丸棒の先端をカンナで少し丸くしてあげるとはめ込みやすくなるのですって。下がその作業中の写真です。

角をとる
角をとる

つぎに木工用ボンドを先端につけて、穴にはめ込んで金槌でたたきいれます。穴の一番奥まで棒が入ると、たたいている音が変わるのでわかります。

ボンドをつける
ボンドをつける
木の棒を穴に入れる
木の棒を穴に入れる

丸棒がはまり込んだら、棒をカット。

カット
カット

多少飛び出ていても、後できれいにできるので大丈夫。家具職人さんに飛び出た部分を綺麗にしていただきました。その写真もあったのだけれど、ピンボケで使えませんでした(汗)下の写真のように、きれいに穴が埋まりました。この上にビスを打っていくことができます。

カット後
カット後

オイル塗料の一部をサンダーではがす

桟と天板をビスで固定する際、しっかりと接着させるために木工用ボンドを使いました。ボンドは木材に塗料がついていると接着しないので、その面のオイル塗料をはがしました。桟のオイルはサンダーではがしました。天板のオイルはサンドペーパーで。しっかり重ね塗りをしたために、塗料をはがすのが結構大変でした。だいたいはがれたところで、ビス打ちの場所決めです。

桟の裏側のオイルをはがず
桟の裏側のオイルをはがず

ビス打ちの場所決め

ここが一番驚いたところです。私達は定規で桟と天板別々に測って場所を決めたのですが、プロは違いました!! きっちりと場所を決めなくてはならないとき、定規で測るなんて誤差が出まくりじゃないですか。ねぇ。(自分達はそれをやっていた 笑)プロはこうしました。ますは写真を見てください。

ビス穴きめ1
ビス穴きめ1

まずは天板に桟を載せます。

ビス穴きめ2
ビス穴きめ2

その上にデスクの脚を載せます。

クランプで固定
クランプで固定

ずれないように、きっちりとクランプで桟と天板を固定します。

ビス穴あけ1
ビス穴あけ1

この状態でビス穴をあけていくのですね。前回私達は定規で場所決めしましたが、桟と天板の穴が微妙にずれてしまうのです。わずか1mmでもずれると、ネジやビスはきれいに入りませんよね。でもこの方法だと、位置がピッタリあうはずです。

ビス穴あけ2
ビス穴あけ2

天板に穴をあけるときの注意は、天板を突き抜けないことですね。天板の厚さとビスの長さを考慮して穴の深さを決め、下の写真のようにドリルビットにテープを貼っておくと大丈夫^^ 今回はドリルスタンドを使わなかったので、垂直に穴をあけることに気を使いました。

ビス打ち

デスク脚を一旦降ろし、天板と桟を作業台に残します。これから桟と天板をビスで固定します。まずは天板と接するほうの桟の面に、木工用ボンドをつけます。

桟と天板をボンドでとめる
桟と天板をボンドでとめる

それから天板と桟をビスで固定しました。先ほどのビス穴が完璧に合っているので、安心して作業が進められました^^ 前回の冷や汗とは大違いです(笑)

ビス打ち
ビス打ち

桟にあけた穴は前回のものなので、ザグリ加工はそのままに。だからビスの頭が奥に入り込んで見えにくくなっています。机の裏だから、それほど気にしなくもいいかもしれないけれど、そういう見えない場所にもやっぱり手をかけたいという私達の気持ち^-^ 天板がかなり反っていたので、天板と桟がしっかり密着するようにビスを打ちました。力のある男性じゃないとできないような感じでした。

しっかりとビス打ち
しっかりとビス打ち

最後にはみ出た木工用ボンドを水のついたブラシでこすり落とし、ふき取りました。

はみ出たボンドをふき取る
はみ出たボンドをふき取る

ナットの場所決め

次は再びデスク脚を乗せて、今度はデスク足と桟の固定です。こちらはビスではなく、必要に応じて天板と脚を外せるようにナットとネジで固定します。鉛筆でナットとネジをつける位置に印をつけていきました。

ナット、ネジの位置きめ
ナット、ネジの位置きめ

次は印をつけた場所に穴をあけていきます。まずはザグリ穴をあけました。この部分の木材の厚みに対してネジが短かったので、ザグリ穴は深めに掘りました。次に細いキリでナットを埋め込むための穴をあけました。ホワイトアッシュは結構固くて、やはり穴あけは前回同様、スイスイ簡単にとはいきませんでした。

ナット、ネジの穴あけ
ナット、ネジの穴あけ

何とか穴あけが終わりました!

ネジ穴
ネジ穴

ナットを埋め込む

ナットを埋め込むために、一旦デスク脚部分を降ろしました。桟の決めた位置にナットを埋め込んでいきます。下の写真と同じタイプのナットを使用しました。

下の写真はナットを埋め込んでいるところです。本当はこのナット、頭が六角になっていて六角ビットを使って埋め込むのですが、六角になっている頭の部分が壊れてしまいました。そこでナットにネジを入れて、そのネジを締めるようにネットを埋め込んでいるところです。

ナットを入れる
ナットを入れる

六角になっている頭の部分が壊れたナットでしたが、無事に埋め込むことができました。穴は6箇所あけたのですが同じ形のナットが5つしかなく、5箇所だけナットを埋め込みました。

桟に埋め込んだナット
桟に埋め込んだナット

ネジを締める

いよいよネジを締めます。完成が間近。

ネジ締め
ネジ締め

ネジ締め終了!デスク脚と天板がしっかり固定されました。

ナット部分に締めたネジ
ナット部分に締めたネジ

最後に

企画段階も入れると1年かかった子どものデスク作り。長かったです。木工の素人には難易度の高い工程は、家具作りのプロに助けていただきました。日用大工の域を完全に超えたデスクが仕上がったということだけではなく、このデスク作りを進める中でさまざまな出会いや学びもありました。単にモノを作ったというのではない、そのモノや作った私達家族に刻まれた記憶はスタート時には想像もしなかった素晴らしい財産になったと感じています。

ものづくり工房の原さんがいつもおっしゃる「ものづくりの原点」とは、表現する言葉は違っていますが、そのようなことを言うのだろうか・・・とおぼろげですがわかった気がしました。今は何でも必要な物はお金を出して買うことができます。それはそれで便利だし、素晴らしく幸せなことでもあると思います。けれども普通はそこまで手をかけないよということでも、手をかければかけただけの何かを得ることができるのだと実感できました。そしてそれはいくらお金を出しても買えない、ちょっと古い?言い回しかもしれないけれど「プライスレス」。

形のあるなしに関わらず、モノの価値は人によって違います。私が今感じている価値あるモノは、他の人にとっては価値のないものかもしれません。でもそういう価値こそ、大切にしたいと思えるようになりました。

酔工房の家具職人の徳田さん夫妻には、私達に工房の機械を使わせてくださるばかりではなく、設計段階からお知恵をいただき、作業時には手取り足取り教えてくださったり、ぽこすけのお相手や作業後のティータイムなど、お世話になりっぱなしでした。徳田さんがいらっしゃらなければ、こんな素晴らしいデスクの完成はありませんでした。心から感謝します。下の写真はデスク完成後、酔工房にて徳田さん夫妻と。

酔工房で記念撮影
酔工房で記念撮影

私とダンナちゃんが工房で作業しているときに、ぽこすけは自然いっぱいのお庭でバードウォッチング。双眼鏡が大好きなぽこすけは、とても楽しそうでした。

お庭ウォッチング
お庭ウォッチング
バードウォッチング1
バードウォッチング1
バードウォッチング2
バードウォッチング2

帰宅して、デスクをリビングに置いてみました。リビングは私の仕事場でもあるので、小さいうちはぽこすけのお勉強が見やすいリビングに配置。ぽこすけは大満足で、デスクを置いてからは毎日、このデスクで字のお勉強をしています^-^

自宅に置いたデスク1
自宅に置いたデスク1
自宅に置いたデスク3
自宅に置いたデスク2

「完」