英語アレルギーだったの 第9話

このシリーズ、ちょっとご無沙汰でした。すいません・・・。まとまった時間を取るのが難しい今日この頃。うちの王子ぽこさんの成長に伴い、寝てくれる時間も少なくなってきて、なかなか先の予測がつかない生活です。まだまだベテランママさんにはほど遠いですね~。

前話までのお話

第1話 出だしでつまづいた!
第2話 どこへ行っても英語がつきまとう
第3話 怖いもの知らずって怖い
第4話 とんでもないとこにきちゃったかも
第5話 右も左もわからない
第6話 必死で生き残る!
第7話 さよなら英語
第8話 多読との出会い

第9話 英語を前から読む

多読を始めて感じたこと。それは以前仕事で英語を使っていたにも関わらず、意外に本が読めない!ということ。もともと英語が苦手だったので、仕事に使うような単語や言い回しは知っていても、子供向けの物語に使われている言葉がわからない。ネイティブの子が普通に身につけていくような表現が、ごっそり抜けた英語力。

メールや報告書は書けても、子供の読み物が理解できないなんて、実は私の英語基礎体力のレベルは低かったんだ。英語をわかった気になっていただけ・・・?この発見は、結構ショックだった。

返り読み禁止

多読は簡単な本を辞書なしでどんどん読んでいくのだが、もう一つ、返り読みをしないということも重要だ。返り読みとは、英語を後ろから読んだり前に戻ったりして読むこと。英語と日本語の語順が違うので、学校でそうやって訳すように教わった、あのやり方。

すごい人なんて、鉛筆持って節ごと?に線で区切りながら読むって聞いたことある。私はもともと文法の「知識」なんてほとんどなかったから、やろうとしてもできないのだけど。今でもよくわからない。でも翻訳はできてる。

私は昔、手に書くもの(鉛筆など)を持っていないと英文が頭に入ってこない時期があった。これって英語を「勉強」としか身体が捉えてないからなのかもしれないと思った。今の私にとって英語とは言語。コミュニケーションツール。英語を介していろんな情報を受け取ったり伝えたりするツール。勉強してレベルアップするというより、使いながらレベルアップするというイメージ。

だから私は英語の問題集などをやる時間があったら、洋書を読んだり、今なら翻訳の仕事をしたりしている。最近は仕事で海外の取引先とメールでやりとりもするようになったので、いい機会に恵まれている。

英語を前から読むことで得られる 英語のまま理解とリスニング力

返り読みから大分話がそれてしまったが、英語を前から後ろへ読んで理解できるようになると、良いことがたくさんある。まずは読むのが速くなる。そして日本語に訳さなくても理解できるようになる。さらになんとリスニング力が上がる。

どうして返り読みしないで読めるようになると、リスニング力が上がるのか考えてみた。おそらく英語を前から順に聞いて理解できるからなのではないかと思った。後ろの部分まで聞いてから意味を掴むようでは、速いスピードや長いスピーチだと、途中でついて行けなくなったり、疲れてしまったりすると思う。

私は以前外資系企業で英語を使って仕事していたときは、返り読みしなかったし、日本語にいちいち訳さなくても理解できていた。しかし多読を始めて、今まで触れたことのない児童書の英語表現にとまどい、ときどき返り読みをしなければ理解できなかった。(補足 会社員時代、もちろん始めは返り読みして日本語に訳しながら理解していました。けれどもそれでは全くスピードが追いつかないのです。だから否応なしにそうなるしかなかった、という状況でした。)

返り読みが今できないからといって、返り読みをしないように「頑張る」必要はない。ちょっとだけ意識しながら読むようにするだけで、たくさん読んで慣れてくるといつのまにかできるようになる、そんなものだと思う。

返り読みをしないで、日本語に訳さないで読む癖がついてくると、英語特有の表現があらわす意味というかニュアンスみたいなものというか、そんなものがわかってくるような気がする。無理やり日本語にしてしまうと、英語で表されたいい感じの表現が台無しになってしまうような気がしてくる。自分がとても優れた翻訳家なら、いい感じに日本語にもできるのかもしれないが、私にはとてもそんな力はなく、やっぱり英語のまま楽しみたい。

数値化された自分の英語力がすべてではない

多読はテストもないし、数字などで英語の習熟度を確認することもない。数字で英語の習熟度を表すことに慣れている、あるいは習熟度の数値化(客観化)を求めたがる私たちにとっては、多読をしたことによって得られる効果が本当にあったのかさえ、不安に思えるときもあると思う。

初めは私はそう思っていた。でも今はTOEICなどで出るスコアとか、英検何級とかもいいけど、それで本当の英語の運用力はわかりっこないと感じている。英語に関する知識はあるかもしれない。でも運用力は?実際どれだけ英語圏の人や、英語を理解できる人たちとコミュニケーションできる?どれだけ自分にとって有用な情報を受け取れる?そんなことを考えたりする。

多読を始めて、洋書を読むときには辞書を引かなくなったのだが、どうやって語彙が増えていくのか?これは不思議に思う。私は劇的に語彙が増えたわけではないが、増えたことは確か。辞書を引かなくても、知らなかった単語の意味を理解するようになる。これについてはとても不思議体験なので、また回を改めて。

続く

いかがでしたでしょうか。英語に限らず、語学の習得って興味深いなぁと思います。今子供が8ヶ月で、まだまだ言葉は話しませんが、日本語を習得していく過程にとても興味がわいてきました。

次回の英語アレルギーだったの第10話はlink辞書を引かずにどうやって語彙が増える?です。